性の多様化に伴い性行為で感染する病気や症状が蔓延しています。中でもとりわけ多いのが「クラミジアによる非淋菌性尿道炎」や「淋菌性尿道炎」で、排尿時に痛みを感じたり、違和感や残尿感を感じたり、膿を生じるなどの症状を自覚します。そのまま放置して慢性化すると重篤な症状を呈する場合がありますので、早期に治療をお受けいただく必要があります。
STDは、性感染症(Sexually Transmitted Diseases)の略語で、全ての性行為(SEX以外でもディープキス、ペッティング、フェラチオ、クンニリングス、アナルセックスなど)によって感染する病気のことをいいます。
性行為の相手については、同性・異性を問いません。また、原因微生物には、細菌、ウイルス、原虫、など多種多様に存在します。
以前はセックスで感染する病気を性病と総称し、梅毒・淋病・軟性下疳・鼠形リンパ肉芽腫などに限られていましたが、性の多様化に伴い、性行為によって感染する病気や症状が急激に増えてきたことを背景に現在では、これら性病を含めた十数種類の感染症を総称して性感染症(STD)と呼ぶようになりました。
性感染症(性病)の原因となる病原体は、傷のない健康な皮膚からの感染リスクはほとんどなく、体液(精液、膣液、血液など)の中に含まれ、おもに人体の粘膜(陰茎、膣、肛門、尿路)を介して感染します。
その他、口腔、のど、気道、眼から感染することもあります。
梅毒や淋病・軟性下疳・鼠形リンパ肉芽腫など性病以外の性感染症では、症状が分かりにくいものも多く、疑われる場合は、医療機関で受診するようにしましょう。
性尿や性感染症の種類や症状により完全ではありませんが、多くの場合は、コンドームを使用することで有効な予防効果が得られますので、性行為に及ぶ際は、終始コンドームの装着を心掛けると良いでしょう。
梅毒・淋病・軟性下疳・硬性下疳・そけいリンパ肉芽腫・HIV・非淋菌性尿道炎・毛虱・ヘルペス・カンジタ・尖圭コンジロームなど
亀頭の周辺にイボ状の出来物がある方はそのまま放置せず、一度は当院や同様の泌尿器科を受診してください。本来亀頭周辺は皮膚の凹凸感が若干あるものの、明らかな出来物は通常ありません。可能性として、性感染症(性病)の「尖形コンジローム」(感染する)、包茎など不衛生な為にできる「フォアダイス」(感染しない)などが考えられます。専門医が診察すればいずれのタイプかすぐに判断がつきますが、尖形コンジロームやフォアダイスは酷似しており一般の方にはおよそ見分けは付かないでしょう。また痛みや出血など自覚症状が無いためなおさらです。
性病や性感染症ではありませんが、いぼ状の突起物が亀頭周辺にできることから尖圭コンジローマと区別が難しい症状。気になる場合はレーザーや電気凝固法で取り除くことが出来ます。
診察において性感染症の疑いのある場合、必要に応じて感染症の検査を行います。
検査方法は「血液検査」「培養検査」などがあります。
淋病・クラミジアなど尿道炎は尿検査が必要となります。他の性感染症についてはお問い合わせください
診察時に症状から診断される、あるいは推測される感染症に効力のあるお薬を処方します。
淋病・クラミジアなど尿道炎の投薬期間は通常1週間分となります。
1週間の服薬にて効果が表れない、あるいは効果が不十分な場合は追加投薬や投薬の種類を変更して追加投薬します。
以前から、包茎と性病(性感染症)とのその深い関係性について指摘されておりましたが、中でも、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染に関して、近年国内外において、割礼(包茎手術など)によって感染リスクが低減するという研究結果が複数あります。
割礼を宗教的儀式として行うユダヤ系キリスト教徒など、他の割礼を行う習慣のある民族や国々におけるHIV感染率が低いことからも、割礼(包茎手術など)で、 傷つきやすく免疫関連細胞の多い内板包皮を切除することで、HIVの侵入・感染が抑えられる為だと考えられています。
HIVに限らず、性病や性感染症の多くは健康な皮膚からの感染はほとんどなく、人体の粘膜(陰茎、膣、肛門、尿路)を介して感染することは、前述しておりますが、包茎の状態では、亀頭包皮炎に代表されるように、炎症を起こしやすい状態であるため原因ウィルスや細菌などによる浸襲を受けやすいといえます。
特に亀頭部は通常の皮膚のように厚い皮膚でガードされておらず、極薄い皮膜によって亀頭粘膜を保護している状態ですが、包茎の場合、常に亀頭周辺が湿潤傾向にあり、皮膜自体が より、薄く、弱い状況となりやすい為、亀頭粘膜の外側にあるとされる感覚受動体など、ウィルスや細菌の影響を受けやすい組織が浸襲されやすく、様々な性病や性感染症に感染しやすいと考えられます。
包皮内板(普段隠れている内側の包皮)も同様に外側の皮膚と比較し薄く弱いため、セックスやマスターベーションその他の外的刺激により容易に損傷し、性病や性感染症の影響を受けやすく、感染しやすい状況となります。
これら、多くの要因から、包茎の場合は性感染症に感染しやすいということがいえます。
通常の場合、二次成長を終える頃に亀頭部が露出されるいわゆる「露茎」の状態になりますが、この時期を過ぎてもかぶっている場合、それ以降包茎の状態は改善されることはありませんので、治すためには包茎手術を受ける他ありません。
※包茎の方は性病や性感染症に感染しやすいとされています。
性病や性感染症を繰り返す場合は包茎治療を前向きに検討してください。
包茎の手術や治療については、「包茎の基礎知識」や「包茎手術 包茎治療」をご覧下さい。