屈曲ペニス(先天性陰茎湾曲症)の治療について、私の想い 東京院院長・医師 森 秀人
私が屈曲ペニス(先天性陰茎湾曲症)の治療に携わるようになってから、すでに15年以上が経ちます。 形成外科・美容外科の技術を磨きながら「見た目の悩み」に向き合っていた私にとって、 この疾患との出会いは自然な流れでした。しかし、診察室で患者さんと向き合うほど、 この悩みが人生に与える影響の大きさを痛感するようになりました。
1. この治療との出会い
医学書では目立たないが、人生を左右する悩み
陰茎湾曲症の患者さんと初めて出会ったとき、私は正直驚きました。 「こういう症状で悩んでいる人が、こんなにいるのか」と。 医学書では決して大きく扱われない領域ですが、患者さんが抱えている苦しみは、 他のどんな悩みとも変わらないほど深刻でした。
手術後、目の前で湾曲が改善した結果を見て表情が変わる瞬間を何度も経験するうちに、 私はこの治療から離れられなくなりました。
2. 最初に感じた「驚き」と「使命感」
誰にも相談できず、10年以上悩み続ける男性たち
診療を重ねるほど、一つの事実が見えてきました。 多くの男性が、誰にも相談できないまま、何年も、時には10年以上悩み続けているということです。
命に関わる病気ではないからこそ、周囲に真剣に取り合ってもらえない。 しかし、この悩みは恋愛、自信、人生の選択にまで静かに影響を及ぼします。
中には40代・50代になって初めて受診される方もいます。 「若い頃からずっと気になっていたけれど、まさか治せるとは思わなかった」と涙ぐむ方も少なくありません。
私は精神科・心療内科も専門としているため、 「身体の問題が心を蝕む」という構造を深く理解しています。 だからこそ、私にとってこの治療のゴールは「形を治すこと」だけではなく、 「その人の心が解放されること」なのです。
3. 診察室で出会った患者さんたちのこと
決断できた自分に自信を取り戻す治療
記憶に残っている患者さんがいます。20代前半の男性で、 彼自身はそれほど深刻には考えていませんでしたが、彼女に背中を押されて受診されました。
診察では、手術で得られること、起こりうるリスク、不確実な点まで丁寧に説明しました。 彼は静かに聞き、最後に「自分のためでもあるし、彼女への優しさにもなるなら、やります」と言いました。
手術は問題なく終わり、2週間後の検診でも経過は良好でした。 性行為はまだ控える時期でしたが、診察室を出る前に彼はこう言いました。
「誰にも相談できなかったけど、自分の人生に関わることを解決できた気がします。ありがとうございました」
この感覚は、多くの患者さんに共通しています。 手術の結果だけでなく、「決断できた自分」に対する自信の回復でもあるのです。
4. 「手術を勧める」ことへの葛藤と確信
不可逆な治療だからこそ、慎重に判断する
私は初診でいきなり「手術しましょう」とは言いません。 手術は身体に不可逆的な変化をもたらす行為であり、軽く扱うべきではありません。
角度が浅く、日常生活や性行為に支障がない方には、 「今すぐ手術する必要はありません」とはっきりお伝えします。
一方で、挿入が困難なほど強い屈曲がある方、 あるいは症状が原因でEDや対人回避が起きている方には、 確信を持って手術をお勧めします。
白膜の発育アンバランスによる湾曲は、マッサージや器具では絶対に治りません。 「確実に治せる手段があるなら、それを使わない理由はない」そう思えるときだけ、私はメスを握ります。
5. 私がこだわる「治療の質」とは
ミリ単位の調整と、術前の対話
手術では、人工的な勃起状態を再現し、あらゆる角度から形を確認しながら縫合します。 海綿体や神経・血管を傷つけないことは絶対の原則です。
しかし、私が同じくらい大切にしているのが「術前の対話」です。 都合の良いことだけでなく、リスクや限界、不確実な点もすべてお話しします。
患者さんが「わかった上で選んだ」と言える状態になるまで、 私は手術室に案内しません。
精神科・心療内科の視点で言えば、この「対話と合意のプロセス」自体が治療の一部です。 話すことで気持ちが整理され、手術前から何かが変わり始める患者さんを何人も見てきました。
6. 悩んでいるあなたへ、伝えたいこと
あなたの悩みは特別ではなく、解決できる問題です
このコラムを読んでいるあなたは、おそらく長い間、一人で検索し続けてきたのだと思います。 「こんなことで受診していいのか」「笑われないか」その不安は不要です。
あなたが感じている悩みは、診察室で毎日のように聞いている話です。 特別でも、恥ずかしいことでもありません。
そして、これは解決できる問題です。 手術するかどうかは、会ってから一緒に考えれば十分です。 まずは話しに来てください。診察室であなたの話を聞ける日をお待ちしています。
医師プロフィール・経歴
東京院院長・医師 森秀人
経歴
- 2001年 慶応大学経済学部卒業
- 2007年 琉球大学医学部卒業
- 2007年 北海道大学付属病院勤務
- 2009年 東京女子医科大学付属病院勤務
- 2010年 東京都立広尾病院勤務
- 2011年 上野中央クリニック院長就任
- 2012年 銀座みゆき通り美容外科勤務
所属学会・団体
- 日本美容外科学会(美容外科専門医)
- 日本美容内科学会
- 日本形成外科学会
- 厚労省認定精神保健指定医
この記事のまとめ
森医師は形成外科・美容外科・精神科の視点を併せ持ち、屈曲ペニス治療を「形の改善」だけでなく 「心の解放」まで見据えた医療として捉えています。誰にも相談できず長年悩む男性に寄り添い、 ミリ単位の精密な手術と丁寧な対話を重視しながら治療を行っています。 悩んでいる方は、まず相談することが解決への第一歩となります。







