包茎に関する歴史的な背景や陰茎に関わる民族学的な関係をご紹介します。
江戸時代の書物などに包茎が恥という日本の包茎観に関する記述があったことからも、包茎が恥ずかしいという風習は江戸時代からはじまったと考えられます。
現在では、包茎は子供のペニスで、露茎は大人のペニスという見られ方や、包茎は、臭い、早漏、女性に嫌われるなどと言った偏見的な情報がおおく、男性をばかにする意味合いで「包茎」という言葉が用いられることもあります。
また、包茎を隠語を用いて「皮かぶり」「すぼけ」「越前」などといって包茎を恥じる風習や男性を馬鹿にするいいかたとして使用されることがあります。
「すぼけ」について辞典では、「まのぬけていること。また、その人。まぬけ」とされ、包茎の隠語としての意味合いが伺えます。また、仮性包茎なら“半すぼ”といわれます。
「越前」が包茎を指す隠語とされる所以は、「越中がはずれ隣りの国を出し」という川柳からなると考えられており、 越前福井藩主は行列で、槍に熊の毛皮の鞘を使い、これを立てて歩いたため、越前の皮かぶり槍と言われたものが、同じ皮かぶりの包茎へと繋がったと言われます。簡単に いうと越中褌がずれて包茎であるペニスが見えてしまったということらしいです。
民俗学関係では、女性器の外陰部を「女陰」と呼ぶのに対して、男性器の陰茎を「男根」と呼ぶことが多く、大きな膣口の女陰を「巨陰」と呼ぶのに対して、大きな男根を「巨根」と呼んでいます。
日本国内には、五穀豊穣・子宝の神として、陰茎(ペニス)をご神体とした「男根」神事を行う神社が幾つか存在します。
所在地:愛知県小牧市田県町152
田縣神社(創建年代は定かではありません)は、かなり古い神社で、子宝と農業の信仰を結びつけた土着信仰(土地や民族に固有の生活習慣と結びついた儀礼など)に基づいた神社でもあります。
祭神は御歳神と玉姫神で、五穀豊穣と子宝の神です。境内には、男根をかたどった石が、多数祀られています。
通称『ちんこ祭り』と呼ばれ、毎年3月15日に行われ、この時期に行われる理由は「新しい生命の誕生」をも意味するからといわれます。
男根を「天」、女陰を「地」と見立て、「天の恵みにより、大地は潤い、五穀豊穣と子宝に恵まれる」事を祈願する祭事だそうです。
男根をかたどった神輿(「大男茎形(おおおわせがた)」)を男達が担ぎ、小ぶりな男根をかたどったものは、巫女たちが抱えて練り歩きます。
触れることで、「子どもを授かる」という御利益があると言われています。
川崎市川崎区大師駅前2-13-16
金山比古神(かなやまひこのかみ)・金山比売神(かなやまひめのかみ)
金山神社は、別称 「かなまら様」 とよばれ、「性と鍛冶屋の神」とされています。
御祭神の両神は、イザナミノミコトが火の神を生んだ際、下腹部に大火傷をしたのを、治療看護した神とされており、お産、下半身の病にご利益があると言われています。
現在は、子授け、夫婦円満の神、エイズの御守りなど、性神として信仰を集めています。
祭礼には、男根を形どった神輿が担ぎだされ、面掛け行列などが繰り出します。
金山神社は、1998年に男性同士のカップルが神前結婚式を挙げたことや、性病除けの神様としてエイズ問題を大きく取り上げたことでも有名です。
毎年 4月第一日曜日
金山神社は鍛冶の神様を祭る神社ですが、江戸時代川崎宿の飯盛女達の願掛けに端を発しこの「かなまら祭り」が行われるようになったそうです。
商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合のご利益があると云われます。
また近年、エイズ除けの祭りとして国際的にも有名になりました。
その他、男性器を崇めた信仰など
など数多く存在します