包茎の手術や治療はいつごろから行われきたのか、また、包茎手術が行われてきた背景など、ご紹介いたします。
割礼(包皮切除・包茎手術)に関する歴史上の記述としてエジプト神話の中に登場します。
太陽神ラーが自身のペニスを切断し、滴った血液から神々が生まれたため、ラーの神の信仰から割礼が行われていたとされ、自分の大切なペニスを神にささげたという説があります。
また、これまでのエジプトのミイラ研究(検査)から、男性のミイラの多くが割礼されていたようですが、王族や貴族、神官といった限られた者だけが割礼(包茎手術)を受けたと考えられています。
アフリカなど他の国々では、成人への儀式として行われていましたが、エジプトでは神殿という神聖な場所に勤務するために、清浄さを求められたためと考えられているそうです。
割礼(包茎手術)を受けた時期もイスラム教やユダヤ教のように、出生後数日の間ということではなく、10歳前後だったそうです。
イギリスやアメリカではかつて道徳的な考えから、自慰行為は罪悪だと考えられ防止の目的として包茎手術が行われており、 19世紀には、自慰行為は健康上悪影響があるとされ、さらにさかんに行われるようになりました。
継続的な自慰行為は記憶力低下、心臓病や身体の麻痺などにつながる可能性があるなどといった医学的な根拠など全くない思想から、包皮の切除をすることで、自発的自慰行為を抑制するための包茎手術であったようです。
この当時のイギリスやアメリカではこれらの思想から包皮切除が奨励されており、新生児の包皮切除を勧めていました。
とらえようによっては人権を無視したような医療行為ですが、そのような考えが信頼されていたようです。
その後、現代においては包茎がなりやすい病気や症状につていて数多くの研究や報告がなされるようになり、包茎手術の医学的必要性について立証されるようになりました。
フランス王、ルイ16世も包茎でした。その王妃はご存知の通り、かのマリー・アントワネットですが、この夫婦の不仲説もあり、その原因の一つに、ルイ16世が包茎であったためとされる考えがあります。
ルイ16世は勃起時に激痛が走りその恐怖からインポテンス状態であったという話があります。
勃起時に痛みがあるということは、おそらく真性包茎か重度の絞約による包茎(カントン包茎)であったと推察できます。
だとすれば、この性的障害がマリー・アントワネットの奔放な行いを助長していたのではないかとも考えられます。
性的に満たされることのない王妃マリー・アントワネットが、気を紛らわす為に、寂しい心の隙間を埋めるように 贅の限りを尽くしたと考えると、歴史的な背景からこのような推察は不謹慎かもしれませんが、女性の心理としてはうなずける部分も多いのではないかと思われ、不憫にされ感じます。
また、ルイ16世は、性的不能(包茎)がために世継ぎを得ぬというわけには当然いかず、22歳の時に包茎の手術をしたとされます。
これにより、2人はようやく結ばれることができ、長女マリー・テレーズ、長男ルイ・ジョゼフ、次男ルイ・シャルル(後のルイ17世)、 次女マリー・ソフィー・ベアトリスの4人の子供を授かり、その頃から、マリー・アントワネットは落ち着きをみせたということからもルイ16世の包茎にも、マリー・アントワネットのその行いの原因があったのではないかと推察できます。
しかし、残念ながら時既に遅しで、この頃、フランス革命が勃発し、二人はギロチン台への運命を辿ることになったのです。
ルイ16世が包茎でなかったら、あるいはもっと早く包茎を治していたら・・・・・。