カントン包茎
カントン包茎は仮性包茎のページでも説明しているように、包茎の状態を分かりやすく解説する為にできた名称で、医学的には仮性包茎に分類されます。
病状としての嵌頓(かんとん)包茎についてお知りになりたい方は、包茎の基礎知識・包茎のなりやすい病気や症状「嵌頓(かんとん)包茎」をご参照下さい。
ここでは、仮性包茎の種類の一つとしてのカントン包茎(仮性包茎強度絞約型)について説明します。
カントン包茎とは?
カントン包茎は、亀頭を露出することは可能ですので仮性包茎に分類されますが、一般的な仮性包茎と異なり、包皮口が陰茎部の包皮外周よりも狭まっている包茎のことで、仮性包茎の強度絞約型に分類されます。
カントン包茎は、包皮口が極端に狭いために亀頭を露出することは出来ても、輪ゴムで締め付けたようになったり、非勃起時は亀頭を露出できても勃起時には亀頭を露出できなかったりします。
仮性包茎のページでも説明している通り、医学的には仮性包茎に分類されますが、極めて真性に近いといえる包茎の状態です。
その理由として、亀頭を露出することはできても、若干無理があり、亀頭を容易に露出することが難しい包茎の状態であるため、恥垢が溜まりやすく、亀頭包皮炎や尿路感染症になりやすい点などが上げられます。
カントン包茎の弊害
カントン包茎の場合、包皮口が狭いために、無理に亀頭を露出した場合、締め付けによる痛みや、皮膚が引き裂かれるような痛みを伴うことがあります。
また、亀頭を無理に露出した場合、包皮が腫れて(浮腫)元へ戻せなくなり、病状としての嵌頓(かんとん)包茎の症状を呈することがあります。
嵌頓(かんとん)包茎の症状を呈した場合、血行が阻害されている為、そのまま放置した場合、包皮や亀頭部が壊死したり、更なる重篤な症状を引き起こしたりする場合がありますので、早急に医療機関にて処置を受ける必要があります。
また、機能面に関しては、真性包茎であれば亀頭を露出できないわけですから、性行為自体は行うことができ、痛みを伴うことも少ないのですが、カントン包茎は、性行為時に亀頭を露出した場合、包皮に締め付けられる痛みや、皮膚が引き裂かれるような痛みを生じる事が多く、危険を伴います。
包茎の手術や治療の必要性が高い状態といえます。
カントン包茎の及ぼす弊害
カントン包茎の及ぼす可能性のある弊害として次のようなことがあげられます。
- 亀頭包皮炎
- カントン包茎は、包皮内板(※包茎の基礎知識参照)や亀頭が弱く常に湿っぽい状態なため、弱い刺激でも皮膚にダメージを受け、炎症を起こしやすくなります。そのため、亀頭炎や包皮炎などの症状にかかりやすく、慢性的な亀頭包皮炎を発症している場合が多いようです。
- 尿路感染症
- 細菌を常に溜め込むカントン包茎の状態は、細菌が繁殖し尿道より尿路に容易に侵入し、尿路感染症をきたす可能性が高くなります。進行し精巣上体炎や膀胱炎、腎盂腎炎など原因となることもあり、無精子症や命に関わる重篤な病気を誘引する可能性についても危惧されます。
- 二次性真性包茎
- カントン包茎の場合、狭い包皮の部分に負担がかかりやすく、包皮炎になりやすくなります。包皮炎を繰りかえすうちに、包皮が次第に萎縮し包皮口が狭まり、亀頭を露出できない状態(真性包茎)となることがあります。
- 性感染症
- 包茎の状態では包皮内板がウィルスや細菌による影響を受けやすいことがわかっており、カントン包茎では、自覚症状がなくても慢性的な亀頭包皮炎の場合が多く、一層感染確率が高くなると考えられます。
- 精神的弊害
- 日本では、包茎という言葉は、人を蔑む言葉として使用されることがあり、包茎を忌み嫌う習慣が江戸時代より始まり、現在に至っていることが歴史的文献からも分かっております。そのため、カントン包茎を含め包茎であることが精神的な弊害となることが多いようです。
- 発育不全
- ペニスも体の成長に伴い成長していきますが、包茎の状態では、包皮に邪魔されて陰茎や亀頭の発育を妨げている傾向があり、カントン包茎ではその作用は強くなりやすいと考えられます。特に亀頭の発育を阻害する傾向にあるように思われ、幼少時に割礼などにより亀頭を露出する習慣のある国々の男性器や日本でも幼少時から亀頭を露出している方の亀頭の発育状態に比べ、例外もありますが、一般的に亀頭が小さく、先細り傾向にあるようです。
- 遅漏・不感症・ED
- カントン包茎で、勃起時に亀頭を露出できないタイプの場合、ペニスの主な性感帯である亀頭冠(かり首)・包皮小帯・尿道口などが、外板包皮に保護された状態のまま性行為を行うことになるため、刺激が少なく射精に時間がかかることや、勃起を維持することが困難となる勃起障害(ED)の原因となる場合もあります。また、亀頭を無理に露出して性行為を行った場合は痛みを伴ったり、血流が阻害され鬱血したりすることが多いため、感覚が麻痺し、射精に至れなかったり、勃起を維持できなくなったりしやすくなります。
- 膣炎など婦人科疾患
- カントン包茎は、性行為の直前にペニスを洗うなどの処置は行っても、細菌が残存しやすく、不衛生な性行為がとなる場合が多いため、膣炎やその他の婦人科疾患を誘発しやすくなります。ペニスを洗わずに行った場合はなおさらです。相手の女性が頻繁に膣炎にかかるような場合、包茎が原因の場合も多いようです。
※一般的な包茎の害については、包茎の基礎知識・包茎の害を参考にしてください。
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