仮性包茎とは、普段は亀頭の一部分あるいは全体的に包皮で覆われていますが、勃起時には亀頭が露出する、もしくは容易に亀頭を露出することが可能な状態をいいます。
仮性包茎の主な原因は、包皮が勃起時の陰茎より長いことです。
仮性包茎の状態は他の真性包茎やカントン包茎と異なり、排尿や性行為など機能的な影響はほとんどありませんので、必ずしも包茎の手術や治療の必要性はありませんが、仮性包茎の状態でも様々な弊害を及ぼす場合があります。
仮性包茎とは前述したように亀頭を露出することが可能な包茎の状態のことを言いますが、包皮の状態により、数種類に大別されます。
余剰包皮型の仮性包茎は純粋な仮性包茎といった感じの仮性包茎で、ただ単に包皮が長い包茎で、一般的に最も多い包茎の状態です。
余剰包皮の切除(包茎手術)で容易に治療が可能です。
最近では、余剰包皮が極少ない場合に限り、陰茎根元の包皮内組織(皮下組織)を数箇所糸で結んで皮下にしまいこみ、根元でたわみを作ることで改善できる「包皮固定埋没法」など簡易的な包茎治療の方法もありますが、元にもどる可能性や余剰包皮が長い包茎の場合は適応にならないこともあります。
※包茎手術の詳しい内容については「包茎手術・包茎治療」をご参照下さい。
絞約とは、「締め付け・狭い」などの意味合いのものとお考え下さい。
絞約の程度(軽度・強度)によって仮性包茎を分類し、説明します。
軽度の絞約型は、包皮口が他の包皮の外周よりも短いため幾分狭まっておりますが、勃起時も非勃起時(普段)も容易に亀頭を露出することが可能なため、多くの方は指摘されないと分からない程度の極軽い絞約のため、普通の仮性包茎と認識している方がほとんどです。
あえて、軽度の絞約についてもここで触れる理由は、将来、特に50歳以降に多い症状の包皮裂傷や二次性真性包茎・閉塞性乾燥性亀頭炎などを誘発する原因となるからです。
仮性包茎の絞約型では、勃起時に亀頭を露出するため、その狭い部分は他の包皮よりも押し広げられ引っ張られていることとなり常に負担がかかっている状態となります。
若年層では皮膚が比較的丈夫なため症状がでることは少ないのですが、50歳代以降ともなると新陳代謝や抵抗力・免疫力などの低下により皮膚が弱くなり、絞約部にかかる負担に皮膚が耐えられなくなります。
すると結果として皮膚が部分的に切れ易くなり、次第に慢性化する傾向が強くなります。
無切開の治療方法は、適用にならず、余剰包皮の切除による包茎手術となります。
通常、この軽度絞約型の仮性包茎は包皮も長いため、余剰包皮の切除を行う必要があるのですが、余剰包皮の切除範囲に絞約部がある場合は、余剰包皮を切除することで、同時に絞約も改善されます。
切除範囲外の場合は、絞約部の解除を目的とした治療との複合治療が必要となる場合があります。
一般的にカントン包茎と言われている包茎の状態のことで、カントン包茎は本来仮性包茎の絞約型(強度)に分類されます。
包皮口が他の包皮の外周よりも極端に短く狭まっており、普段の状態でも亀頭を露出した際に締め付けられるように感じたり、勃起時には露出できなかったり、露出すると締め付けによる強い痛みを感じたりすることがある包茎の状態です。
仮性包茎に属するとはいえ、極めて真性に近い仮性包茎のため弊害が多く、返って真性包茎よりも包茎による弊害が強くなることもあります。
性交渉においても危険を伴う場合もあり、できるだけ早いうちに包茎の手術や治療を受けられることが望ましいと考えられます。
カントン包茎についての詳細は「カントン包茎」を参照してください。
仮性包茎の及ぼす可能性のある弊害として次のようなことがあげられます。