包茎だとなりやすいとされる病気や症状に、亀頭包皮炎、閉塞性乾燥性亀頭炎、尿路感染症、陰茎ガン、嵌頓(かんとん)包茎、紅色肥厚症などがあります。
亀頭炎と包皮炎のことで、通常、亀頭と包皮の両方に炎症が発生する場合が多いため亀頭包皮炎といわれます。
もちろん亀頭炎もしくは包皮炎の一方のみの発症している場合もありますが、これらの症状は包茎に多く発症することが多く、包茎の場合は亀頭炎と包皮炎を併発しているケースがほとんどです。
この病気の一般的な症状としては、包皮が淡赤色に腫脹し亀頭と包皮内板に炎症が出ます。
自発痛や排尿時に痛みがあり、膿の分泌なども見られます。
また、かゆみを伴う場合や、時に出血することもあります。
原因としては、包茎の内側と亀頭の間に恥垢が溜まる事によって感染し炎症が起こると考えられています。
進行・悪化すると尿道狭窄となり排尿に支障をきたす場合があり、閉塞性乾燥性亀頭炎、二次的真性包茎、陰茎癌になる確率が高くなります。
この亀頭包皮炎は再発する事がありますが、亀頭部分を清潔に保つ事によって、再発を防ぐ事が出来ます。
それでも頻繁に亀頭包皮炎になる場合やなかなか治癒に至らない難治性の場合、他の疾患の合併症などが生じた場合は包茎の手術や治療をされた方が良いでしょう。
亀頭や包皮の炎症は、ステロイドの軟膏を塗布するのが一般的な治療方法です。
数日の塗布で症状は改善されまが、包茎が原因の場合、再発率が高くなり、症状を繰り返す度に皮膚自体が弱まり、包皮裂傷(皮膚が部分的に切れる)などの症状の原因となります。
何度も繰り返す場合は、包皮の切除(包茎手術)を行うことが望ましいとされます。
慢性的な炎症により、陰茎先端周辺の皮膚が白く硬くなります。尿道口に及ぶ場合、閉塞され排尿困難となります。
外尿道口を開通させるための尿道口切開や形成外科的修復手術が必要となることもあります。
この疾患の多くは、度重なる亀頭包皮炎が原因となり、包皮の弾力性や伸縮性は失われ、徐々に包皮は硬く厚い状態となり、、包皮先端が徐々に狭まり、閉塞されるようになります。
この疾患は、包茎がなりやすいことはもちろんですが、露茎(亀頭が常に露出されている)の方でもなることが多く、年配層に多く見られます。
閉塞性乾燥性亀頭炎の初期症状ともいえる、亀頭包皮炎においては、包皮口(ペニス先端)周囲(特に内側の包皮)が痛み、発赤、腫脹(しゅちょう)、排膿(はいのう)などの症状を生じます。
仮性包茎や露茎の場合は、SEXや入浴・シャワーなどで痛みを強く感じるため、包皮を剥くことを次第に避けるようになります。
すると、次第に包皮は萎縮し、包皮の一部が切れやすくなり、これを繰り返すうちに皮膚はどんどん硬く厚くなってくるため、勃起時に包皮がめくれていると、そのたびに“ひび割れ”のような裂傷が生じるため、亀頭を露出しないようになります。
その結果、包皮は先端でつぼまり、亀頭を全く露出できない「真性包茎」の状態へとなります。この状態で、皮膚の炎症が慢性化し、硬く白くなった段階の症状が閉塞性乾燥性亀頭炎となります。
この症状の場合は環状切開など外科的処置(包茎の手術)が必要となります。
また、尿道狭窄などの症状がある場合は、尿道口切開や尿道口形成が必要になります。
尿路とは尿の通る道です。腎臓でつくられた尿は腎盂、尿管、膀胱、尿道を通って外に排出されます。細菌や真菌、ウィルスがこの尿路の中に入って増え、感染した状態を尿路感染症と呼びます。
例外的に血液を介して腎盂に細菌が入ることがありますが、通常は尿の通る方向とは逆方向の、尿道口から浸入し、腎盂へ向かっていきます。
一般的に、小児や女性に多く、成人男性がかかる場合の要因の多くは、包茎の状態などによる、衛生上の問題と考えられます。
尿路感染症を見過ごし、そのままにしておくと、細菌が血液に乗って全身に回り、命にかかわる敗血症という重症になることもありますので注意が必要です。
尿は、前述したように腎盂→尿管→膀胱→尿道を辿り、尿として体外へ排泄されますが、尿路感染症の場合、原因となる細菌などが尿道→膀胱→尿管→腎盂といったように尿とは反対に腎盂へと向かって進み、感染症を起こします。
幼少時には便中に多く存在する大腸菌が、尿路に進入しやすいため、幼少時に尿路感染症を起こすことが多いとされています。
特に、女性の場合、男性より肛門から尿道口までの距離が短い為、一般的には尿路感染症になりやすいとされていますが、包茎の場合は包皮内に恥垢が溜まり、菌を増殖させやすいため、尿路感染症に感染しやすいといわれています。
また、成人においては、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、エンテロバクター属など腸内細菌科のほか、淋菌やクラミジアなど性感染症としての尿路感染症もあります。
成人男性の場合は、陰茎を不衛生にしていることがその要因と考えられますが、中でも包茎の状態では、包皮と亀頭の間に細菌やウィルを溜め込み易く、尿道口より細菌やウィルスなど原因菌が容易に侵入し易いため、尿路感染症になる確率が高くなると考えられます。
発熱を伴う。
通常は発熱しない。
熱がある場合は血液検査で、白血球の数、CRP(C反応性蛋白のことで、体内で炎症反応や組織の破壊が起きているときに血中に現れるタンパク質。炎症が強いほど血清CRP値は高くなります)、血沈などの炎症反応を調べ、尿を培養し原因菌を特定します。
この結果が出るまでの間は、暫定的に原因菌の多くが大腸菌であるため、大腸菌によく効く抗生剤を処方します。
検査結果により菌が特定されれば、その菌に効く抗生剤に変更します。
血液検査で炎症反応が強い場合、入院による抗生剤の点滴を行います。
その他、十分に水分摂取し、頻繁に排尿をすることで、尿路に菌が堆積し増殖するのを予防することも重要です。
性感染症として淋菌性尿道炎や性器クラミジア感染症がありますが、やはり包茎の状態の方が約3倍程度感染確率が高いということが、 統計により国内外で明らかになっております。
包茎の状態では、包皮と亀頭の間の湿潤傾向が強く、尚且つ体温で暖められており、細菌やウィルスにとっては住みやすい環境となっています。そのため、パートナーがこれらの感染症にかかっていた場合、包皮内に原因菌(ウィルス)を溜め込み、増殖させ、感染症にかかりやすくなると考えられます。
尿道口を常に清潔にする事が、第一の感染予防となりますので、常に清潔を保つように心掛けることが大切です。
包茎の場合は細菌を溜め込み易いため、これら尿路感染症を発症しやすく、繰り返すような場合は包茎手術を検討する必要があります。
特に真性包茎は確率が高くなるため、手術で包茎を治すほうがよいでしょう。
陰茎に発生する比較的まれな“がん(癌)”で、そのほとんどは亀頭に発症し、男性のがんの1%以下にすぎませんが、統計的に包茎の人に多く発生する傾向があります。
陰茎がんは、痛みを伴わないのが普通です。がん(癌)はまず陰茎の皮膚から発生し、海綿体や尿道へと浸潤し、排尿困難となることがあります。大きくなると潰瘍(かいよう)を形成したり、がんが崩れて出血したりすることがあります。
陰茎癌は、扁平上皮癌ともいい、陰茎部悪性腫瘍の一つで、乳頭状増殖型と潰瘍浸潤型の2種類に分類されます。
乳頭状増殖型はペニス表面にカリフラワー状に増殖し、潰瘍浸潤型はペニス内部(陰茎体部)に進行し、硬化・潰瘍を形成し、排尿困難となる場合があります。
また、陰茎がんはそけい部リンパ節(大腿のつけ根の部分)に転移しやすく、進行した場合そけい部のリンパ節に触れると硬くなっているのが確認できます。
出生時に割礼習慣(包茎手術のような簡易的な処置)のあるユダヤ人やイスラム教徒の発症率が低い事などから、恥垢や外陰部の不潔などが原因で発病するのではないかと考えられています。
また、梅毒や尖圭コンジロームなどの性感染症や、陰茎がんの男性を夫に持つ女性では子宮頸がんのリスクが高くなることから、HPV(ヒューマン・パピローマ・ウイルス)の感染もリスク要因と考えられています。
診察を受けることを恥ずかしくいと感じやすい場所であることや、初期においては自覚症状が乏しいために受診が遅れ、早期発見の機会を逃すことが多いので、わずかな自覚症状を感じたらすぐに診察を受けることが大切です。
陰茎がんの治療の主は外科療法(切除)や、放射線療法となり、その他、化学療法があります。
病変部の切断(病変部から最低2cm以上離して切断)及び、鼠径部リンパ節の摘除を同時に行い、場合によっては、骨盤部のリンパ節も摘除することがあります。
また、状況により陰茎を根本から切断し、尿の出口を会陰部に形成することもあります。
術後は、足がむくみやすくなる傾向があり、陰茎は小さくなり排尿が困難になることがあります。
性交が困難な場合は、人工的陰茎の形成手術を行うことがあります。
放射線療法は初期のがんに限られ、陰茎の形状をある程度保てるメリットはありますが、治癒する確率は手術に比べると低くなります。 (I期では手術と比較し、成績はほとんどかわりません。) 治療後に陰茎の変形、尿道狭窄をきたすことがあります。 また、転移した場合疼痛などの症状があらわれるため、その対策として放射線療法が選択されることがあります。
転移が認められる陰茎がんの場合、シスプラチン、メソトレキセート、ブレオマイシンなどの抗がん剤の併用療法がよく用いられます。
幼少時に割礼(かつれい)を受ける習慣をもつユダヤ教徒やイスラム教徒にその発生が著しく少ないことや、陰茎ガンの人に包茎が多いことなどから、 陰茎がんの発生要因として、包茎との関係が重要視されています。
包茎の場合、包皮内の恥垢や他の要因などによる慢性的な刺激があり、発がんの要因となっているのではないかと考えられています。
包皮の先端が狭く本来亀頭を露出できない真性包茎や強度の絞約型仮性包茎が、包皮がめくれて亀頭が露出され、亀頭の下で陰茎を締め付け、輪ゴムで強く締め付けたような状態となり、包皮が大きく浮腫んだ状態のことを嵌頓(かんとん)包茎といいます。
前述したように、包皮の先端が狭く本来亀頭を露出できない真性包茎や強度の絞約型仮性包茎が、包皮がめくれて亀頭が露出されると、亀頭の下で陰茎を締め付け、輪ゴムで強く締め付けたような状態となります。
その結果、包皮はむくみ、亀頭はうっ血した状態となります。このような症状をかんとん包茎(嵌頓包茎)と言います。
包皮がめくれた当初は痛みを生じますが、やがて、鬱血し、感覚が鈍くなり、やがて、痛みも感じないようになります。
通常幼少時のペニスの状態は包茎で、ペニスの先端は狭くなっています。
この狭い部分は、第二次成長期の頃より、勃起を繰り返すうちに広げられ、 亀頭は露出されるようになりますが、この過程において十分この包皮口(先端)が拡げられないと包皮先端が狭い為に亀頭を露出することが出来ない真性包茎となり、お風呂場でペニスを洗っている時や他の行為などの何らかの拍子で無理に亀頭が露出されてしまったことが原因となります。
このような嵌頓包茎(かんとん包茎)の症状になった場合、その多くは元に戻すことができず、そのまま放置した場合、浮腫んだ包皮やうっ血した亀頭部が壊死 (血流が阻害され、その組織が死んでしまう)する可能性が高い為、早期に外科的な処置(包茎の手術など)が必要となります。
紅色肥厚症は、ボーエン病の一つとされます。
ボーエン病とは、「皮膚内ガン」という皮膚の中にがん細胞は存在しても、他の組織や器官に転移することなく、表皮の中だけにとどまっている疾患で「がん前駆症」あるいは「前がん状態」とされます。
この皮膚内ガンに、日光角化症・ボーエン病・パージェット病などがあり、 紅色肥厚症は、ボーエン病が、亀頭部や他の粘膜及び粘膜境界部に発症したものをいいます。
いわゆる、ボーエン病も他の皮膚内ガン同様に、皮膚がんの病期分類の0期と同じ状態とされます。
放置しているとがん細胞はやがて真皮の中へ入り、有棘細胞がんとなりますので、表皮内ガンのうちに治療することが大切です。
亀頭と包皮の間に蓄積された垢(あか)が炎症の原因となることから、包茎の場合に生じる事が多いとされます。
その他、HPV(ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルス)、放射線や砒素などの影響により発症する場合があります。
赤みを帯びたビロードのようなめらかな限局した病変で、通常環状切開を受けていない男性(包茎)に起こります。
ボーエン病は、正常の皮膚との境界がはっきりしており、色は淡い紅色から褐色調であることが多く、表面は斑上に白色や黄白色のがさがさと乾燥してはがれ落ちやすい皮膚が付着しており、ときには一部にびらんがあったり、かさぶたがついていることもあります。紅色肥厚症はこの症状が亀頭部や粘膜、もしくは粘膜境界部に発症したものをいいます。
通常、割礼・環状切開(包茎手術など)を受けていない男性(包茎)に起こりやすいとされています。
砒素が原因の場合では、手のひら・足の裏の角化、体の色素沈着・点状白斑、爪の線状色素沈着などの皮膚症状がみられ、皮膚以外にも肝がん・肺がん・膀胱がんなどの内臓悪性腫瘍を合併します。
皮膚病変を確定する為に、皮膚生検を行います。
皮膚内ガンと診断された場合、多くはフルオロウラシルという腫瘍細胞の代謝(ピリミジン代謝)を抑制し腫瘍細胞の増加を抑える薬物が入ったクリーム剤で治療し、経過を見ながら場合によっては局所切除,またはレーザー療法を行う場合もあります。
※一般的なボーエン病を含め皮膚内ガンと診断された場合の治療の基本は切除ですが、亀頭部の場合は抗がん作用のあるクリームや軟膏で初期治療を行う場合が多いようです。
性の多様化に伴い性行為で感染する病気や症状が蔓延しています。中でもとりわけ多いのが「クラミジアによる非淋菌性尿道炎」や「淋菌性尿道炎」で、排尿時に痛みを感じたり、違和感や残尿感を感じたり、膿を生じるなどの症状を自覚します。そのまま放置して慢性化すると重篤な症状を呈する場合がありますので、早期に治療をお受けいただく必要があります。
STDは、性感染症(Sexually Transmitted Diseases)の略語で、全ての性行為(SEX以外でもディープキス、ペッティング、フェラチオ、クンニリングス、アナルセックスなど)によって感染する病気のことをいいます。
性行為の相手については、同性・異性を問いません。また、原因微生物には、細菌、ウイルス、原虫、など多種多様に存在します。
以前はセックスで感染する病気を性病と総称し、梅毒・淋病・軟性下疳・鼠形リンパ肉芽腫などに限られていましたが、性の多様化に伴い、性行為によって感染する病気や症状が急激に増えてきたことを背景に現在では、これら性病を含めた十数種類の感染症を総称して性感染症(STD)と呼ぶようになりました。
性感染症(性病)の原因となる病原体は、傷のない健康な皮膚からの感染リスクはほとんどなく、体液(精液、膣液、血液など)の中に含まれ、おもに人体の粘膜(陰茎、膣、肛門、尿路)を介して感染します。
その他、口腔、のど、気道、眼から感染することもあります。
梅毒や淋病・軟性下疳・鼠形リンパ肉芽腫など性病以外の性感染症では、症状が分かりにくいものも多く、疑われる場合は、医療機関で受診するようにしましょう。
性尿や性感染症の種類や症状により完全ではありませんが、多くの場合は、コンドームを使用することで有効な予防効果が得られますので、性行為に及ぶ際は、終始コンドームの装着を心掛けると良いでしょう。
性病・性感染症(STD)については「性病・性感染症」のページで詳しくご説明しております。
