他のページで解説した根本的な包茎手術や包茎治療の方法の他に、処置程度の治療方法や簡易的な方法で包茎の状態を改善する方法があります。
この手術方法は幼児の包皮口の狭まりを拡げ、将来の成長期に包皮が自然に剥け、露茎になるようにしておくための事前的な治療方法で、宗教的な儀礼として行われる割礼に似た手術方法となります。
また、成人の包茎手術では真性包茎や強度の絞約型包茎(カントン包茎)の症状の場合、一時的に仮性包茎に近い状態にする必要があり、当院など包茎手術専門のクリニックでは包茎手術の一貫として行うことも多い方法ですが、一般の泌尿器科などでは真性包茎に対してこの背面切開術のみで対応するケースも多いようです。
一般的に仮性包茎の状態では、背面(上側)の方が裏側よりも包皮の余りが多くなります。部分切除による包茎の手術や治療方法として、全周にわたり切除を行うのではなく、比較的長い背面側の包皮だけを切除することで包茎を緩和もしくは治す方法となります。
しかし、この方法はあくまでも真性包茎やカントン包茎に対する緩和方法となることが多く、完全に余剰包皮を切除しているわけではないので、包茎治療としては不完全な方法となります。
包茎の方の中には、包皮の余剰がさほど無いにもかかわらず、普段被り気味になる方がいらっしゃいます。埋没陰茎の状態や肥満が原因の場合もありますが、裏筋と呼ばれる包皮小帯が通常よりも短く、引きつることが原因となっている場合があります。
この様な場合は、包皮小帯の引きつれを緩和し包茎を改善する処置を行います。
仮性包茎の中でも余剰包皮が少なく、絞約部がない場合に限り、包皮の切除や切開を行わずに包茎を治すことが可能です。
この方法は、陰茎包皮の根元(腹部寄り)の皮下組織を数箇所、糸で結んで皮下に埋没(しまい込む)方法で、根元に“たわみ”を作ることで包皮が亀頭に被さることを抑制する方法です。
これにより、包茎の状態は改善されますが、余剰包皮を取り除くわけではありませんので、元に戻る可能性があります。
包茎の状態は必ずしも包皮が長いだけとは限りません。陰茎を体内に引き込みやすい「埋没陰茎」や肥満が原因となり、下腹部に陰茎が埋もれる包茎の場合もあります。
このような場合は、埋没陰茎の修正手術を行ったり、下腹部の脂肪を除去する「脂肪吸引」などの方法で包茎の状態が改善されます。(長茎手術)
埋没陰茎の詳細は長茎術 埋没陰茎をご覧下さい。