根部形成法による包茎手術
根部形成法による包茎手術は名のとおり、根元で余剰包皮を切除し縫合する包茎治療の方法です。
この治療方法では根元に傷がおさまるため、包茎手術の傷が目立たない(目立ちづらい場所にできる)ことが最大のメリットで、今から15年ほど前に複数のクリニックで「傷が毛で隠れる」として行われておりました。
現在では症状や希望などによって行っているクリニックもあるようですが、この手術方法を主体として包茎手術を行っているクリニックは現在ほとんどないようです。
その理由として、次の内容があげられます。
- 仮性包茎でも、絞約部が全く無い方が対照となり、真性包茎やカントン包茎の方は対象とならず、適応症例が少ない。
- 傷が毛で隠れやすいといわれているが、実際には根元よりも前方に傷がくるため、必ずしも隠れ易いとは限らず、かえって傷が目立つ場合がある。
- 陰茎の根元で手術を行った場合、手術後に陰茎の浮腫(むくみ・腫れ)が出やすい事。
- 陰茎の根元には神経束や比較的重要な血管があること。
- 伸縮性に乏しい包皮内板が全て残るため皮膚は縮まらず、亀頭下で若干ダブついたようになったり亀頭冠(カリ首)に少し包皮が被ったりしやすい。
他の包茎手術の修正に比べ手術の絶対数が少ないのでさほど多くはありませんが、この根部形成法を絞約型の包茎に対して行ったために、亀頭の下側の浮腫(むくみ・腫れ)が長引き、修正手術を希望して来院される方がいらっしゃいます。
絞約を十分判断していれば、本来根部形成法は行うべきではありませんので、このような症例の多くは医師の判断による結果と言わざるを得ません。
根部形成による包茎手術のメリット
- 陰茎の根元で手術を行うため、傷が陰毛で隠れやすい(実際には隠れきらない)
根部形成による包茎手術のデメリット
- 真性包茎やカントン包茎、絞約の認められる仮性包茎には適応できない
- 伸縮性の乏しい内板包皮が全て残る為、亀頭下で包皮が余り気味になる
- 根元で行うため、手術後の陰茎浮腫(むくみ)がでやすい